2003.01.20



年明け早々、エジプトに行ってきた。
いったい何歳くらいから行きたいと思ってたことだろう?この年になってやっと念願叶ったわけであるが、行きたいだけで、買いたい、欲しいものはまったくなかった。
ブランドものには興味ないし、美味しい珍しい食材もあるかもしれないがよくわからないし、もうとにかく遺跡を見たい、エジプトの地を歩きたい、そんな気持ちしかなかった。もともとショッピング目的の国じゃないもんね。(--;

空港で手続きをしてる時、添乗員のお姉さまがとてもステキなカルトゥーシュのペンダントをしていた。よく見るとピアスもカルトゥーシュじゃないか。
ふ、ふうーん。
なかなかかっちょいい、とは思ったが、強がって「私は買い物に行くんじゃないわ」と自分に言い聞かせて飛行機に乗った。

エジプトでは至るところに遺跡がある。それを模したものもたくさんある。するってぇと、イヤでも目にはいるのがカルトゥーシュだ。ヒエログリフも読めないながら、ツタンカーメンやラムセス二世のものはわかるようになる。そして時々観光客も身に着けている・・・・・。
エジプトは日本に比べ物価はかなり安い。日本人向け値段もあるがやっぱり安い。でも何か買うにも全て交渉だから、「それちょーだい」「はい、ありがとさん」じゃ終わらない。たった一つ、小さいものを買うにも5分じゃ済まない。あちらの言い値で買えばすむが、何故かそれは許されないことになっているみたいに交渉しなければおさまらない。安くともあの交渉の体力を入れると結構な値段かも。それが楽しい人はいいが、度重なると疲れること疲れること。
その中で、この金のトップは元からいい値段である。多分それでも日本ならもっともっとするのであろうが、だからといって私にとってこれは決して安くはない。はっきり言って予算外のものである。
でも旅も3日目になるとかなり欲しくなっていた。
旅の間小さいダイヤのネックレスとこれまた小さいダイヤのピアスをずっとしていた。勿論チェーンもピアスのポストやキャッチもプラチナである。トップだけ買ったってすぐには身に着けられない。でもでもチェーンも買うともっと高くなる・・・。旅行なのだ。少しくらい、買ったって、いいじゃない。記念よ。エイヤと買っちゃえ。もう来ないかもしれないんだから。そんな声も聞こえてくる。

かくて宣言。「私、買うからね」。

結局4日め、ルクソールで買った。
私の名前は「マリ」。本来なら「MARI」だがヒエログリフのRの文字はあまりかっちょよくないので、ガブリさんに薦められたとおり、Lの文字にする。「MALI」。Lの文字はライオンなのだ。なかなかかっちょよくなるはず。これで4文字。一番小さいのでいけるだろう。
しかし一番小さいものは3文字だという。次は5文字。5文字のはデカイ。うーん。イニシャルにするか。「M・W」。でも離婚するかもしれない。これじゃアカン。
「MAL」。これじゃ間抜けだよ。うぇーん。店のにいちゃんが、なかなか達者な日本語で「アンク、入れる、これサービス」などと言う。アンクとは命の鍵のことだ。むーん。でもできるだけ小さいのが欲しいんだよぅ。私は宝石やアクセサリーは小さいのが好き。いつも気軽に着けていたいから、小さいのが欲しいんだよぅ。
夫が横から言う。「値段上がったってええやん。5文字にしぃや」。
値段じゃないんだよぅ。大きさがいやなんだよぅ。夫はチェーンも買えという。どうせお金使うなら威勢良くぱーっと使っちゃえというヤツなのである。この際ありがたいことだが、でもこのチェーン、ごつくて太くていやなんだよぅ。
しかし時間が迫る。うぇーん。仕方ない。5文字で、名前+アンクに決定。枠の模様を指定する。裏は、どうせだから、ネフェルタリを指定。美人の誉れ高いのはネフェルティティだが、賢いほうがいい。それと「金具変えて。こっちのにして」とわがままをいい、店を後にする。出来上がりを楽しみに。

その夜、注文品が渡された。
受け取ったとき、「やっぱりでかい」と思った。でも仕方ない。その時着けてるアクセサリーはプラチナだから受け取ったばかりのトップをつけることはできない。着けるのは、帰ってからのお楽しみ。

さすが18金。重たい。今まで本当にちっちゃいのしか着けたことないからね。
あれから毎日、飽きもせず着けてます。大きさも気にならなくなりました。買ってよかった。




戻る