兵庫県の山奥にある、古い家である。古いといってもおばあちゃんが住んでたとかおじいちゃんが住んでたとかいうレベルではない。日本に現存する最古の民家なのである。
インターネットで偶然見つけたのであるが、早速行ってみてびっくりした。ここまで古いものとは思わなかった。
私は時代劇が好きである。最近のお気に入りは毎晩10時からの鬼平犯科帳である。こればかりは止められない。
平蔵さまのおかげで、毎日のつらい事も耐えられるというものである。(おおげさ)
4月からは座頭市だ。これも楽しみ。
私が日々暮らすのに必要なものって、どれくらいのものだろう。今この部屋にあるものだけでも、なんて無駄が多いのだろう。結婚してから荷物が軽く4倍くらいにはなったと思う。いやはや、誰かと共住みすると荷物が増えるよとは言われていたが、全く、そのとおりだわ。思い切ってすぱっと捨てて、スッキリしたい。常々そう思ってはいるのだが・・・。時代劇を見るたびに、画面の中のようなこんなスッキリした部屋で、モノ少なく暮らしたいとしみじみ思うのだ。それでもって平蔵さまのような渋いおっちゃんがいて、ああ、なんて幸せ。夢の世界はすばらしい。
この家は兵庫県の山奥で、まわりは緑だらけだった。きっと夜になったら真っ暗だろう。そんなところだった。
中は思ったよりも狭かった。大きな屋根、太い大黒柱、黒光りする床、台所、かまど。なんだかとても落ち着く雰囲気。暗めの灯も似合っている。入り口は低く、背の高い夫は背をかがめて入っていた。部屋も思ったよりもずっと狭く、それもまた良かった。離れもある。ここで何人の人間が同居していたのだろう。毎日どんな暮らしをしていたのだろう。箪笥もあった。よくわからない道具一式も並べられていた。
部屋自体は狭いものの、それ以外はとてもゆったりしていた。台所など、ウチよりも広いぞ。
いつかこんな山の中で、暮らすのもいいなぁ・・・。
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