今年2度目の歌舞伎は思いがけずご招待に与りました。

大阪ではないし仁左様も出ないし襲名といってもまったくピンとこない人で まったくのノーマークでした。ファンの方々ごめんなさいです。考えてみたら初代中村錦之助と いえばあの萬屋錦之助。「てめぇらたたぁ斬ってやる」の錦之助。鬼平犯科帳の錦之助。 しとしとぴっちゃんの子連れ狼の錦之助。二代目はその甥っこというわけですか。二代目は何度か 舞台を見たはず。でもまるっきり印象に残っておりません。

というわけで10月某日、お出かけ。
一幕めは「天満宮菜種御供」。 二幕め、「京鹿子娘道成寺」。 ラストは「金閣寺」。
どうせなら夜の部・・・と思ったのは、この「金閣寺」を 何年か前に大阪松竹座で、仁左様の東吉を見てるから。このとき雪姫は藤十郎だったのだ。 花道に座った仁左様を、花道真横の席で見上げてうっとりしたものです。三姫、あとは時姫だなぁ。 娘道成寺も、菊五郎のを見たり、玉三郎のを見たり、特に今回まったく期待してなかった。 天満宮の菜種も、私はTVで見たことあるのかなぁ?この高笑い、どこかで覚えがある。 大好きな秀太郎も立役だし、雪姫は時蔵だし、進之介もどうも好きになれないし、 三津五郎が大膳ですか。悪くはないけどどうせ三津五郎なら踊りを観たいわ、アタシ、 翫雀、嫌いじゃないけど今回の役はううむ、富十郎、夜は修善寺ですか、うううむ、 というわけでどうせ観るなら夜・・・と思ってたのだけど、 藤十郎、藤十郎、藤十郎、素晴らしかった。77歳。すごい。
歌舞伎を見てたら、もっと早く生まれてもっといろんな舞台を見たかったとよく思う。 おやびん絶賛の歌右衛門、私はTVでしか観たことないし、仁左様の若かりし頃の 舞台も観たかった。動き回る又五郎も観たかった。だけどこの日の藤十郎は ほんに素晴らしかった。この日の藤十郎を観れただけでも今でよかったと思える。 藤十郎、素晴らしかった。ありがとうございました。






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