8月1日。
初めて、PLの花火を見た。
花火だけではなくて、PLの塔も初めてだった。
こういうものがあるということすら、知らなかった。
富田林に住むKさんご夫妻のおかげである。ぐふぐふ。なんていい人たちなんだろう。席まで確保してくださるという。ええ、もうKさんのディスク、ふっ飛べ〜、ふっ飛べ〜の踊りは二度と踊りません。招待された私とカメラマンT氏は固くそう誓った。梅田から環状線、南海電車と乗り継ぎ、Kさんの住む街へゆく。

6年ほど前から大阪に住んでいる。結婚して都島から吹田に来た。太陽の塔を自分の目で見てびっくりした。これがうわさの。なんといっても私が生まれる前から立っているのだ。そうか。これがあの。そういう気分だった。確かにすごいデザインであるが、見慣れたら別に変でもなんでもなくなった。
しかしPLの塔はあること自体知らなかった。Kさんちのマンションの階段をてくてく登ってると、「ここから塔が見えるよ」とKさんの声がした。なんのことかわからなかった。「え?なになに?何が見えるの?」踊り場から見ると、白い塔があった。・・・なんじゃありゃ。第一印象はこれである。なんじゃありゃ。それ以外なかった。時間はお昼。天気はすこぶる良い。そして、暑かった。考えるのは後にしよう。はなはだ失礼だが、そう思った。

Kさんちは日当りの良い部屋だった。窓が大きくて、光がいっぱいで、明るかった。うちは午後からは暗くなるので羨ましいったら。美味しいビール、美味しいワイン、美味しいカレーに美味しいナン。幸せいっぱいのひとときだった。サラダもよかった。ドレッシングもとっても美味しかった。ああお嫁さん欲しい。M子さんの美味しい料理と、細やかな気配りをしてくださるKさん。いいなぁいいなぁ。座ったまんまでのんびり食べて飲めるなんていいなぁいいなぁ。ああ幸せ。体調が悪かったのも忘れてビールもワインも飲んでしまった。
そしてこれもお初の、人んちのロボ!お店以外では見たことがなかったのである。小さい。可愛い、可愛いぞ。・・・・でもって素早いぞ。ここにいるはず、とそこに視点を当てていたのだが実樹ちゃんはそこにいない。素早い。素早すぎる。でも可愛い。可愛いなぁ。それから腫瘍と戦う翔太くん。目がでかくて可愛い。人懐こくて可愛い。いいなぁ、うちもハム欲しい。ウシやチンパンジーはもういい。こないだまではブタとシロクマもいたし。ああああハムが欲しい!!!!
T君も大きくなってる。可愛い。「ちゃうちゃう」もしてくれた。可愛い。いいなぁ赤ちゃんも。愛想が良くて将来男前になること請け合いである。ぐふ。ママに優しい、良い子になるのだ、T君。
ハム達の撮影会が終わると、男性陣は一眠り。普段殆どお酒を飲まない夫だが、この日は車の運転をしないでいいので少しばかり飲んでいた。夫も一眠り。いつも運転役だもんね。ごめんね。今度は私も運転するからね。・・・遠慮するなよ。

夕方4時過ぎ、Kさんちを辞して花火見物に出かける。まだ明るい。まだ明るいのに、駐車場の確保のために出かける。駐車できるスペースには車がいっぱい。街中は人と車でいっぱい。なんだこの渋滞は。聞くところによると午前中からそうらしい。すごい街だ。街中花火見物の人でいっぱいだ。しかし、暑い。暑いぞ。あるお店の屋上が解放され、そこからゆっくり見れるという。チケットはもう購入してあったが、着いた時屋上はまだ閉鎖されていたので順番待ちを男性陣に任せ、女性陣はのんびりショッピング。うはうは。
時間が来て、屋上に行った。席はとっても良い場所だった。なんと「走っちゃいけません」と叱られつつもKさんがダッシュしてくださって確保した席。うほうほの席である。
ちなみにこの日は朝から花火があがっていた。実際、Kさんちでも何度も音が聞こえた。時を告げる花火なんだそうな。一日中、ぽんぽん、ぽんぽんと音がしてるなんて。PLってすごい。すごい。席に座ると明るいので花火は見えず、煙がうっすらと見えた。これから花火が始まるんだ。嬉しかった。

広島、岡山、神戸、和歌山、大阪も天神・水都祭など大きい花火は殆ど見た。PLだけ、まだだったのだ。花火が大好きなので、ずっとずっと見たいと思ってた。これで名だたる花火は制覇だ!しかし困った問題もある。Kさんは、これを見るともう他の花火なんて見れません。そう言うのだ。困る。花火は毎年見たい。出来るだけたくさん見たい。しかしPLも見たい!

席に着いても花火が始まるまでまだまだ時間がある。チケットでビール、焼き鳥、焼きそば、お好み焼きなどを買って食べる。飲む。塔は、さっきよりも少し近づいている。・・・ううむ、すごいデザインだ。Kさんは、人差し指を立てた様子を現しているんだと教えてくださった。・・・わからない。目が離せない。なんてすごい塔なんだろう。なんて、なんて・・・。
体調が悪くなりかけてたので薬を飲んだ。ビールで流し込もうとしたら止められた。・・・。当りはだんだん暗くなる。気分はだんだん盛り上がる。もうすぐ花火だ。世界一のPLだ。夫とカメラマンT氏はカメラのセッティングに余念がない。お揃いのカメラである。うちにはもったいないカメラである。果たしてちゃんと撮れるのかいな。前の晩、月と星を写していたが「これはなぁに?」という状態だったのだ。1枚か2枚、使えるのがあればいいや。そんな気分だった。

そして花火があがりはじめた。すごい、すごい、すごい!間が短い!どんどんあがる!さすが12万発、どんどんあげなきゃ消化できないだろな、それにしてもすごい、すごい、すごい!綺麗、綺麗、綺麗!「おじじ、あれを写すのだ。あのでんでろを写すのだ、ほれほれ!」偉そうに指示しつつ、飲み物片手に花火見物。いやぁ極楽、極楽。上から2番めの写真の花火、まるでヒマワリみたいでしょう。ヒマワリ、ヒマワリ。風もよく吹いていて、煙もちょうどよく流れる。極楽、極楽。こんなに花火から近い場所で、ナイアガラも見える場所で、屋上で、テーブルとイスで、ビールも食べ物もあって、おしゃべりも出来て、極楽、極楽。ええ、もう二度とKさんをいじめたりしません。再度誓う私だった。

本当に間が短い。他の花火はもっと間があるぞ。PLはぽんぽん、ぽんぽんあがる。でんでろ、でんでろ。ぽんぽんあがる。私は仕掛け花火のようなものはあまり好きじゃない。枝垂れというか、でんでろ〜、と流れる花火が好きだ。線香花火が大きくなったようなものが一番好きだ。色も何色もあるのはあんまり・・・とワガママを言う間もなく、ああ綺麗、あれも綺麗、ああ綺麗、あれ撮ってよ、あれよあれ、あれだってば、あ、だめだめ、開く前よ、開く前のを撮ってよ。ワガママいっぱい口走る私だった。

「最後のはすごいよ。あたりが昼間みたいに明るくなるからね」Kさんは教えてくれた。これ以上すごいの?昼間みたいに明るくなるの?ますます嬉しくなる私。ああこんなの毎年見れたらいいな。もう年に一度、これだけ見れたらもういいです。もう他のは見れなくても文句言いません。そしてとうとう最後が近づく。すごい音がして、真っ白になって、本当にあたりが明るくなった。おおおおおおおお。これがこれがこれが、これがそうなのかああああああああ。

終わるとKさんは「さ、終わった、さ、行くでっ」と席を立つ。ばたばたと片づけをしながら、余韻にひたってる私はあらあらあらと驚いて皆の後に続く。ああすごかった。本当にすごかった。いやぁすごかった。これの繰り返しばかりつぶやいていた。そこから車を停めた場所に行くまで、女性陣でおしゃべりしながらも、つい、ああすごかった、とつぶやいていた。本当にすごかった。本当に綺麗だった。綺麗だった。さすが世界一。さすがPL。本当にすごかった。これはすごい。さすが、さすが。車に乗ってもまだ続く。Kさんは富田林から吹田まで、箕面まで、私達を送ってくださるのだ。明日はお仕事なのにごめんなさい&ありがとう。裏道を通って渋滞を避けて、細い道をくねくねと車は走る。「あるある大辞典」を見ながら私達はおしゃべり。ああすごかった。ああ綺麗だった。すごかったね、綺麗だったね。Tさんご夫妻はうたた寝をしてたが、それから私は妙にハイになって浮かれて一人で騒いでいた。油とちゃうちゃう♪ふと気づくとつぶやく私と振られる右手。うるさくてごめんなさい、Kさん。

湾岸道路を通る。夜景が綺麗だった。久しぶりに見る夜景。大阪を一望。綺麗だけど、とっても綺麗だけど。それにしてもすごかった。花火はすごかった。堂々巡りの思考回路。富田林から吹田まで、1時間15分ほどだった。早い、早いぞ。Kさんはロボだ。家に帰っても興奮状態。すごかった。PLはすごかった。うわさは嘘じゃないね。PLはすごいね。

次の日、仕事先でさっそく報告。奈良の友達は、10cm四方くらいで見えたという。今年は白だったね。なんですって?毎年色が違うのか?来年が気になる。気になる。気になる。

Kさん、M子さん、ありがとうございました。
楽しかった。綺麗だった。すごかった。本当にすごかった。
今度、塔をみたら、すごく懐かしい気持ちになると思う。嬉しくなると思う。
来年は、仕事休んでPLだ!


カメラ:CoolPix950
画像は解像度を変えただけでその他は一切、何もしていません。


戻る