クリスマスプレゼントである。
Tさんご夫妻からの、とても素敵なプレゼントである。

太郎が逝ってしまった時、本当に、何をしていても、思い出して、泣いた。涙がこんなに出るのが不思議なくらい、泣いた。
太郎は私の一番大事なハムだった。うちは太郎中心に毎日が廻っていた。
でも太郎は逝ってしまった。二度とあの可愛い体をだっこすることも、ひま種をあげることもない。
逝った直後にはもうケージを洗って菊にあげた。太郎のものを残すのがつらかった。思い出したら泣くから。寂しくて泣いてしまうから。
しばらくすると太郎がいないことに慣れてきた。太郎のいない毎日が、私の日常、普通の毎日になった。
それでいいのかと自問する日もあった。忘れることはないけれど、絶対ないけれど、でも、慣れてしまった自分がなんだか冷たいように思っていた。
そんな時いただいた、この太郎の絵。写真のように、綺麗に印刷されている。
絵の中の太郎に私がしてあげられることはない。だっこもできないし、なでてあげることもできない。こんなに可愛かったんだ、と自分が慰められ、一緒に過ごした毎日を思い出し、ひととき、優しい気持ちになる。太郎から、Tさんご夫妻から、太郎を通じて知り合ったたくさんの人達から、優しい気持ちをもらうのだ。
もらってばかりの私であるが、この絵は、太郎のもののない部屋の中で、もしかしたらふらりと帰ってくるかもしれない太郎の居場所になったと思っている。

おかえり、太郎。



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