10月に信楽にいった時、買ったコーヒーカップ。
選んだのは夫。
最初に「これがいい!」と言われた時、正直言って気が進まなかった。
私は本当は、色の濃いものが欲しかったのだ。
でもせっかく選んでくれたんだし、他に気に入るものもなかったので、買った。
そこは信楽焼だけではなく、最近どこでもよく見かけるスペインだかポルトガルだかの皿だとかも売ってる、そして喫茶店もある、新しい建物だった。陶芸の里の坂を下りたところの新しい建物である。大抵半年おきくらいに行くのだけれど、新しい店が出来てて嬉しいような、複雑なような。複雑な気分になる理由は、とてもお洒落な建物が出来るから。でもそれじゃなんだか信楽らしくない。鄙びた町の良さとはちょっと違うような気がする。店に雑多に皿や鉢などが並べられ、自分の鞄などが当たらないよう気を遣いながら見るほうが、なんとなくそれらしい気がする。あくまでも、気がする、んだけど。
でも信楽の器をお洒落に使った喫茶店などは、ちょっと嬉しい。新しくパスタのお店も出来ていて、外で食べれるようになっていて、とても美味しかった。外で食べるのは気持ちがいい!いつもはお弁当持参で陶芸の里で食べてたんだけど、サボッたおかげで美味しいパスタが食べれて幸せ、幸せ。
そうそう、コーヒーカップ。
使いだすと、とても気に入った。家で、くつろぐ時仕事する時、いつも使ってます。
夫になんて貸すもんですか。
家の中に気に入ったものが増えるのは、とても嬉しい。
最近内側が汚れてきた。茶しぶなどが付くのである。漂白するのもためらっているとき、焼き物が好き!語らせたら止まらないという人が仕事先にいるので、宴会の時に聞いてみた。これは信楽で、使う前に十分水も含ませた。一年殆ど毎日使ってるのでどうしても洗っても堕ちない汚れがある、と。件の人は、汚れがあったっていいじゃないかとおっしゃった。使っていれば洗っても落ちない汚れだってついてくる。使ってるんだから、当たり前じゃないか。その汚れも含めて、この器を受入れないと。そうおっしゃった。・・・なるほど。そうか。使ってるんだもんね。大事に洗ってるけれど、落ちないものだってあるよね。
汚れも含めて、やっぱりこのカップが好きである。
戻る